市町村制覇記

自転車で日本の全市町村を制覇する過程を記録するブログ

日本国道最高地点の地、「渋峠」に登ろう!(長野県側編:長野市〜渋峠〜長野市)

2020年9月20日

長野市渋峠長野市   108km

今回は日本にある国道で最も標高の高い地点、渋峠(標高2,172 m)を目指して長野県側から登っていく。ロードバイク愛好者ならば誰もが憧れる地で、最高地点到達というトロフィーのみならず、途中の景色も絶景である(特に群馬県側が絶景なのだが、当時は白根山噴火レベルが高かったため、通行止めとなっていた)。

 

新幹線で長野駅まで行き、自転車を組み立ててから出発した。まずは東へ進み、千曲川を渡って須坂市に入った。長野市近隣であり、アクセスも良いため、人口は5万人と地方都市の中では栄えている方だ。また、群馬県と接しており、県境には2,000m級の山が聳えている。

須坂市街で北に進路を変え、小布施町に入った。長野県で最も面積が小さい町であり、しかも南と北に市があるので、平成の大合併でなぜ消滅しなかったのか、不思議に思っていた町だった。しかし、実際訪れてみると、市街地は江戸時代の気風を残す趣のある店が並び、観光客で賑わっていた(写真は撮り忘れた)。どうやら浮世絵師の葛飾北斎ゆかりの地であり、それを生かしたまちづくりに成功しているようだった。

さらに北上し、中野市に入った。ここも須坂市同様、長野市へのアクセスの良さを生かして人口4万人ほどを確保している。今回は中野市街には入らず、郊外を大回りして再び東へ向かった。この大回りの途中で、渋峠をそのルートに含む、国道292号と合流する。以降、この国道に沿って渋峠を目指す。

しばらく走ると長野盆地に別れを告げ、緩やかな坂となった。そして山ノ内町に入った。以降、渋峠までは山ノ内町内を走ることとなる。

山ノ内町の中心地を少し超えたあたりまでは坂の勾配も5%程度だが、建築物がつき、周囲が森林となると勾配は上がり、進む速度は落ちていった。

坂がキツくなった地点から、標高600m分を一気に登っていった。その後、一旦道が平坦に近くなると、峠の前半部分をクリアしたことになる。このエリアは志賀高原と呼ばれ、多くのスキー場があるリゾート地となる。また、所々温泉が湧くようで、国道の近くにも温泉が湧くスポットを見ることができる。

標高1,700mを超えたあたりから再び坂は急になった。そして次第に周りの木々の背が低くなり、視界が開けていった。この坂は峠の前半部分で疲弊した私の足にとどめを刺したようで、次第に足に力が入らなくなった。仕方ないので、足が悲鳴を上げるたびに自転車を止め、休憩を入れながら進んでいった。

標高1,900m付近からはヘアピンカーブが連続する、九十九折りの道に変化する。そして、ついに標高2,000mを突破した。ただし、その先にはまだまだ上り坂が続くさまが見えた。絶望感に襲われながらも、何度も足を止めつつ、少しづつ登っていった。

標高2,000mを超えるとついに森林が途切れ、笹などで覆われた草原地帯も随所に見られるようになった。これが、渋峠を特徴づける絶景である。なお、この草原地帯は標高による純粋な森林限界ではなく、強風などの気候条件によって形作られたものであるらしい。

洞門をいくつか通過すると、坂の勾配が緩くなり、いよいよ峠の頂上に近づいていく。ここまでくるともう一踏ん張りだ、と最後の力を振り絞った。

そして、ついに渋峠に到達した(ついでに、群馬県境を超え、群馬県中之条町の制覇もできた)。実は渋峠と呼ばれる場所は国道の頂上ではなく、もう少し先に国道最高地点が存在する。

渋峠にはなんとホテルが立っており、ホテル内で長野県と群馬県に分かれている。いつか泊まってみたいものである。このホテルでは犬が飼われており、名物となっている。また、ホテル内で食事をとることもできたので、カレーを食してエネルギーを補給した。

また、渋峠には横手山に向かうリフトも存在する。

しばらくすると、周りが霧に包まれた(というより峠が雲の中に入った)。そのような中、最高地点に向かってリスタートした。とは言ってもほとんど坂とはいえないような平坦な道であり、これまでの道のりからすると楽勝であった。

そして、ついに標高2,172mの日本国道最高地点に到達できた。当地点には石碑が立っており、車やバイクで同じく来訪した旅人が幾人か写真を撮っていた。

しばらく感慨に浸っていたが、すでに午後5時近くになっていたこともあり、あまり長居はできなかった。来た道を引き返し、渋峠に再度到達した頃には霧が晴れていた。

下っていく時には絶景をより堪能する余裕ができ、何度も足を止め、写真を撮りながら進んでいった。

その後は一気に下っていき、途中日が落ちてしまったものの、無事山ノ内市街まで戻ることができた。ちなみに山ノ内市街には渋温泉湯田中温泉という温泉地が連続して存在しており、穴場の観光地となっている。

この後は、最短経路で長野駅まで戻り、輪行にて帰宅した。

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今回の制覇市町村:長野県須坂市小布施町中野市山ノ内町群馬県中之条町

制覇状況:286/1,718