市町村制覇記

自転車で日本の全市町村を制覇する過程を記録するブログ

1泊2日で長野を再訪しよう!②(長野県松本市〜群馬県安中市)

2日目

長野県松本市群馬県安中市 136 km

さて、二日目は松本盆地長野盆地南部の間に横たわる山岳を越え、千曲川水系を遡って長野と群馬の県境を超える行程であり、かなり気合を入れる必要のある道となる。前日に引き続き晴天となったが、この山越えの過酷さと逆風に苦しめられる1日となった。

松本市街からはまず犀川に沿って北上し、安曇野市の旧明科町に入った。ここは前回の長野旅で私を山間の心細さから解放した、栄光ある地として記憶に刻まれている。今回は少し明科の街を巡ってみたが、メルヘンチックな屋根を有する小学校があったり、風光明媚な川沿いの公園があったりして、街としても面白さがあった。

明科からは犀川の支流を伝って東へ進み、再び松本市に入り四賀という地に至る。この四賀からは北に道をとっておよそ標高950 mの風越峠を越え、筑北村に入った。県道であるせいか、カントリーサインはなかった。

坂を下り切ると筑北村役場のある、村の中心地に至る。筑北村は三つの村が合併したのに町に昇格せず、そのまま村を称した珍しい自治体であり、役場は旧本城村にある。村にしては意外と大きい街のようである。

その後は山に囲まれているものの、広々とした水田風景が広がっていた。山の中の村といえば狭い谷にまばらにある農地、他は全て森林という風景をイメージしていただけにこれは意外な景色だ。ついテンションが上がり、快調に走っていく。

筑北村を出て、麻績村に入った。これで「おみ」と読む、初見だと絶対読めない村名を有する。筑北村に三方を囲まれており、なぜ筑北村と一緒にならなかったか疑問に思うくらいの立地である。

筑北村に引き続き田園風景が続き、麻績村の中心街に入った。往時には麻績宿という宿場町だったらしく、当時の雰囲気を残す通りも存在するようだ(今回は国道を通ったので、その通りには行っていない。

その後は次第に上り坂がキツくなっていき、やがて訪れたつづら折りの坂を越えると、聖高原と呼ばれるエリアとなる。ここは峠付近に広がる平地であり、下の写真の聖湖などがあり、リゾート地として開発されているようである。

湖が尽きてからすぐに猿ケ馬場峠を越え、千曲市に入った。

ここから急勾配かつ曲がりくねった道を下っていく。途中、日本昔話の一つにもなっている姨捨山伝説の生まれた地とされる姨捨(おばすて)も通った。老婆を捨てる地という人権意識や敬老のかけらもない地名がついていることに改めて驚愕させられる。ただ、この姨捨の地は日本有数の棚田景観を有する地として知られており、さらに見下ろせば千曲市街のある長野盆地南部を一望することができる。

坂を下り切って千曲川を越え、千曲市街に入り、国道18号と合流した。ここからは前の長野旅で走った道を逆行して、千曲川に沿って遡ることになる。ただ、前回は雨でカントリーサインが撮れなかったので、今回は道沿いの市町村を再征服することとなる。

まずは坂城町に入る。町を横断するしなの鉄道テクノさかき駅という駅名があることからも分かる通り、機械業などの工業が盛んな町である。

家屋と田畑が混じる道を行き、上田市に入った。上田城で有名で、戦国時代は真田幸村を輩出した真田氏の本拠地であった地だ。また、上田市街から離れた箇所には別所温泉鹿教湯温泉などの温泉地や、菅平高原などのリゾート地も存在する。上田城は以前の長野旅で訪問したので、スルーした。

上田市街から次第に上り坂が始まり、東御市に入る頃にはかなりきつい勾配になっていた。ついでに向かい風も強く、なかなか速度が上がらない。東御市を通っている時はずっとそんな調子で進んでいった。ちなみに東御市カントリーサインにあるように、巨峰などのブドウの産地である。長野県はこのような市町村の特徴が一目でわかるカントリーサインが(高速だけでなく)下道にもあるのが素晴らしい。

小諸市に入った。小諸藩の城下町として栄えた地で、カントリーサイン小諸城を示しているようだ。小諸市に入ってもまだまだ坂は続く。ちょっと緩んだと思ったらまた急勾配の坂になる。そのような階段状の登りが繰り返し続く。こんなに市が続き、しかも市街地もぶち抜いているのにきつい上り坂を有する国道は他にないと思う。

少し迂回したら坂も和らぐかな、と安易な考えで一旦南下した。実は市町村制覇の目的もあり、佐久市境まで行くことができた。

続いて東北へと進んでいき、御代田町に入った。ここら辺は割と平坦だったが、やはり辛い上りは避けれられず、国道に合流した後にも続く上りをなんとか耐えて、軽井沢街に入った付近でようやく下りに転じた。本格的に上り始めてから約25 kmの時だった。この区間は一般的に峠としてあまり認知されていないが、逆風だったということもあり、今までの上り坂で屈指の辛さだった。

軽井沢市街を通過した後は、標高で50 mしか登らない、今までの行程に比べ圧倒的に楽な峠(碓氷峠)を越え、群馬県安中市に入り、標高600 m分を一気に下った。碓氷峠は行きと帰りで登る高さが大きく異なる、稀有な峠であることを改めて実感した。その後は碓氷峠の麓にある横川駅から輪行で帰宅した。

前回の長野旅も悪天候で大変だったが、今回も上り坂と逆風でしんどい思いをした。それでも、自転車旅を終えた後、疲れが癒えるにつれて次の地へと挑む気持ちが膨らんでくる。私はそこに人生の充足感を感じるのである。

 

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今回の制覇市町村:山梨県北杜市、長野県富士見町、原村、茅野市諏訪市下諏訪町岡谷市麻績村坂城町上田市東御市小諸市佐久市御代田町

制覇状況:232/1,718