市町村制覇記

自転車で日本の全市町村を制覇する過程を記録するブログ

絶景広がる高原道路「ビーナスライン」を走ろう!(長野県茅野市〜長野県松本市)

2019年8月4日

長野県茅野市〜(美ヶ原高原経由)〜長野県松本市 91 km

ridewithgps.com

 

この日は松本市のカプセルホテルで朝を迎えた。鉄道で茅野駅まで行き、そこから前日悪天候のため引き返したビーナスラインに再び挑んだ。

ビーナスラインとは、長野県にあり、標高800 m付近の茅野市街と標高2,000 m近い美ヶ原高原を結ぶ、日本有数の高原道路である。獲得標高は2,000 m以上で自転車での制覇は非常に難しいルートだが、日本とは思えない絶景が見られるとのことで、挑戦してみた。美ヶ原高原に到達後は高原の遊歩道を歩いて高原の反対側に出て、そこから坂を下って松本市に至る予定であった。

茅野駅を出て5 kmほどすると早くも急な坂が現れた。夏の暑さに辟易しながら登っていくと、一旦坂が緩くなり、蓼科高原にたどり着いた。リゾート地として知られ、蓼科湖という景勝地もある。

その後は再び坂がキツくなり、標高600 m分を一気に登っていく。この区間ビーナスライン第一の難関である。100 mごとに現れる標高の看板に励まされながら登って行く。登れば登るほど暑さが和らいでいったのが唯一の救いであった。

この区間は森林に囲まれて眺望が悪いが、時折開けた場所があり、そこからはどこまでも広がる森林を見渡すことができた。

標高1,760 mに達するとついにスズラン峠に達した。同時に、立科町にも入った。地味ながら今回も市町村制覇をできる旅となる。

標高200 mほど下ると白樺湖に至る。この周辺もリゾート地として人気であり、多数のホテル、商業施設、観光客で賑わっていた。

白樺湖からは再び坂を登るが、スズラン峠よりは緩やかである。何より、ここからは森林がプツリと姿を消し、草原が広がるビーナスライン一番の絶景ポイントである。

この周辺は霧ケ峰高原と呼ばれ、牧畜のための草場とされてきたため、本来森林限界以下なのに森林はなく、草原が広がっている。ここには多種多様な高原植物があり、そのいくつかは花を咲かせていた。想像以上の絶景であり、何度も足を止めて写真を撮りつつ、快調に進んでいった。

これはキク科のアキノキリンソウと思われる。

これはタデ科のイブキトラノオである。

ユリ科ニッコウキスゲの群生もあった。これぞ「お花畑」である。

その他、キンバイソウ、エゾカワラナデシコなど、多くの高山植物の花が咲いていた。

大半は5%以下の緩い上り坂、たまに下り坂という道が続いたが、たまに10%近くの上りも出現し、その時は力を入れて登った。

しかしそこを登ると、また絶景であった。windowsの壁紙に出てきそうな絶景である。少々曇っているのが残念である。高原の天気は移ろいやすく、晴れていたかと思えば急に雨が降り、雨が止むと再び晴れ間が見える、という調子である。

霧ヶ峰駐車場の交差点を右に曲がると一旦下りとなり、再び森林地帯に様変わりして行った。

ここからしばらくは和田峠、扉峠などの峠を通過しつつ坂の上り下りを続けた。そして府道178号線との合流点(落合交差点)を過ぎると、最後の難関が現れる。平均9%の坂が4 kmほど続くワインディングロードである。最後の気力を振り絞りつつ、ペダルを回した。

そして、ついにビーナスラインの最高地点(標高1,959 m)に到達した。ここに至ると森林はなくなり、再び草原地帯が広がる。しかし、その達成感、絶景を堪能している暇はなかった。なぜなら豪雨が降ってきたからである。急いで近くにあった山小屋に避難した。

草原の向こうには美ヶ原高原美術館のものと思われるモニュメントが見えた。こんな場所に美術館があるのは日本全国でもここだけであろう。

ちなみにビーナスライン最高地点は、今まで走ってきた長和町と上田市の境界であり、撮れていなかった長和町のカントリーサインを入手することができた。

雨が小降りになったので山小屋を出て、美ヶ原高原の遊歩道を自転車を押しながら歩き始めた。

今でも牧畜をおこなっているのか、馬や牛の姿を見ることができた。

高山地帯にしか生えないハクサンフウロフウロソウ科)の群生があった。このような珍しい植物をじっくり見られるのが歩きの利点である。

やがて遠くに、中世ヨーロッパの城郭と見間違うような建物が見えてきた。近づいてみると、どうやらホテルと電波塔が併設されているようである。

近くには美ヶ原で最も標高の高い地点である、王ヶ頭があった。いつの間にか標高が2,000 mを越えていた。人生で初の2,000 m超えである。

その後はホテルの出口にあった車道から自転車に乗り、一気に降った後、上り下りが連続する道となった。武石峠の交差点で左折し、ヒルクライムレースでも使われる急勾配の坂を一気に降っていった。このような下り坂はスピードが出過ぎるので、かなり恐怖感を覚える。

途中、美鈴湖を通り過ぎた。

なおも降っていき、武石峠から標高1,200 m差を消化してようやく松本盆地に出た。この後は松本駅まで至り、輪行で帰宅した。

 

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今回の制覇市町村:長野県立科町、長和町

制覇状況:257/1,718