市町村制覇記

自転車で日本の全市町村を制覇する過程を記録するブログ

富士山を一周しよう!〜富士五湖や樹海を巡る旅①(静岡県御殿場市〜山梨県富士河口湖町〜静岡県御殿場市)

2018年11月23日〜24日

静岡県御殿場市山梨県富士河口湖町静岡県御殿場市 118 km

さて、今回は前回の旅から3ヶ月空いたが、その間は栃木県日光市にあるいろは坂に挑んだり、自転車とは無関係に宮崎への旅を楽しんだりしており、自転車による市町村制覇からは遠ざかっていた。しかし、11月になって秋風が深くなってきた折、一大プロジェクトを完遂したくなり、今回の富士山一周計画を立ち上げた。

日本で一番高い山という以上に、その美しさや文化的背景によって人々を魅了してきた山、富士山。その富士山を眺めながらその周囲を一周するコースも自転車乗りに人気で、私も今回挑戦してみたくなり、市町村制覇をかねて走ることとなった。

なお、本来は一日で完了するつもりが、いくつかの誤算により、二日間の旅になってしまった。

 

始点は半年前くらいに制覇した地、静岡県御殿場市である。御殿場駅から自転車を組み立て、時計回りで富士山一周に挑む。

スタートからいきなり上り基調の道となり、しばらくすると小山町に入った。道の駅すばしり(富士山登山口一つ、須走口の付近)を過ぎると本格的に峠道となる。このカゴ坂峠越えが本コース最大の難関となる。

峠の途中に「藤原光親の遺跡」というものがあった。どうやら藤原光親は承久の乱の際に朝廷方の首謀者の一人であり、この地は敗れて鎌倉幕府によって処刑された場所のようである。

その後もペースを上げすぎない程度に峠を登り続け、籠坂峠に到達した。標高は1104 mであり、御殿場市街からは600 m以上登った計算になる。

籠坂峠からは静岡県を出て山梨県山中湖村となり、300 mほど下ると富士五湖の一つ、山中湖に到達する。道志みちを走った際に行ったことがあるが、いつ見ても清澄な湖である。

山中湖を堪能した後、一旦国道を離れて忍野村に入った(残念ながら、カントリーサインは見当たらなかった)。忍野八海を見るのが目的である。忍野八海は地下水が湧き上がってできた多数の池の総称である。実際訪れてみると、鉱物が混じっているからか、かなり青みがかった池であり、非常に綺麗であった。

快晴だったため、池を挟んで富士山も見えた。また、人気の観光地らしく、人で賑わっていた。

忍野八海を出て富士吉田市、ついで未制覇だった富士河口湖町に入った。

程なく河口湖のほとりに到達した。河口湖は富士五湖の中でもアクセスが最も良く、多くの観光客で賑わっていた。山中湖と同様、河口湖の水も澄んでいた。割と橋マニアな私は、地図を見てぜひ行きたいと思っていた、下の写真の河口湖大橋を通った。湖上を走る橋であり、橋上からは素晴らしい景色が見えた。

その後湖北岸を進んでいくと、次第に湖の幅が細くなり、湖の西端に着いた。ここからは少し山道を上り、トンネルを抜けた。その後道は下りとなり、下り切ると西湖へたどり着いた。西湖も富士五湖であり、河口湖と比べ人は少ないせいか、その風景の静謐さが印象に残った。

向こう岸とその先の富士山を望む絶景も見ることができた。

西湖に別れを告げると再び上り基調になった。途中、青木ヶ原樹海に入った。富士山の樹海といえばこれであり、遭難もしくは自殺の名所?として有名である。

樹海に入ったあたりから日が傾きだし、気温が下がっていった。まだ冬でないと油断していた私は防寒具を持っていなかった。富士山周辺の高度を計算に入れていなかったことが原因である。ここらへんは標高800〜1000 mほどであり、平地よりも約6度気温が低くなる。11月のこの日でも気温は一桁台となり、防寒着なしで自転車で風を受ける私にとっては過酷な旅となった。

なんとか4つ目の富士五湖、精進(しょうじ)湖の東端までたどり着いた。精進湖は国道から脇道を少し入ったところに広がっているので、気力を振り絞り、湖の眺望が開けるところまで行った。

国道へ引き返し、再び上り基調の山中を走行して、最後の富士五湖本栖湖についた。湖面に写る逆さ富士が有名で、1000円札の裏面にも採用されている。しかし、またも国道からは少し離れて広がっており、余裕のなかった私は湖の東端をチラリと見ただけですぐに湖から離れた。

その後少し上り、ついに峠(割石峠)を越えて再び静岡県に入った。市町村で言うと富士宮市である。

県境からしばらくは朝霧高原と呼ばれる地が広がっている。牧場が点在している観光地である。大分日は暮れたが、まだ富士山は見えていた。

その後標高にして600 m以上下ったのだが、その途中で完全に日が暮れてしまった。出発時間が遅かったこと、冬至直前で日没時間が早かったことを計算に入れていなかったことで、寒さで身が凍えながら暗闇の中をダウンヒルする、危険な行動を行う羽目になった。しかし、なんとか富士宮市街にたどり着くことができた。

晩御飯は、富士宮B級グルメ富士宮焼きそばを食した。普通の焼きそばより麺が太く、もちもちした食感で美味しかった。

本来は一日で一周するつもりだったが、流石に暗闇の中、これ以上進む気にはならなかったので、1日目はここまでにした。宿泊は急遽、市内のスーパー温泉施設に入り、座敷で雑魚寝した。

 

後編へ続く